2009-01-27

郷には入れば何とやら

地域によって独特のルール・慣習がある。

大阪ではエスカレータは右側に並ぶ。
新大阪では東京人と大阪人が入り混じっているため、右左に立つ人それぞれいておもしろい。

初めて訪れた地域でどのような慣習があるかわからないときは、周りの状況をよく観察して、その場に合わせた対応をとれるようにする。人と違った行動を嫌う日本人の性格というよりは、トラブルにあう可能性を未然に防止する行動といえるかもしれない。

最近の言葉でいうと「空気を読む」ということになるのだろうが、あまりこの言葉によい感情をもっていない。強い同調圧力がそこにあるのを感じるからだ。
空気を読むのは社会人であれば当然のことで、そこから何ができるのか、その場の状況を理解した上で、個性を出す、新しい価値を生み出すことに意識を向けることが重要だと思う。


コンサートホールでは「空気を読む」のではなく、「音楽を聴く」わけだが、観衆の挙動をたまにみてみるとおもしろい。目を開いて、演奏家の一挙手一投足を見逃すまいとしている人や、目をつぶって音楽に浸っている人、個人個人の楽しみ方をしている。

そういった人々が、ある瞬間同じ行動をとる。
演奏と演奏の本来静寂である瞬間である。そのときに今までため込んでいた咳をするのである。今までそんなに咳を我慢していたのか自分でもよく分からないのだが、咳が感染してしまうのだ。
コンサートホールなのでその音が会場全体によく響く。別な音楽が流れているような錯覚を覚えたりする。

思うに、聞くだけではなくて、自分も音を奏でたいという深層心理が咳という形で表面に現れているのではないか。咳は音楽ではないけれど、絶妙なタイミングでいっせいに咳が聞こえると音楽といえなくもない。


今度コンサートに行くときは、いろんな音楽を少楽しんでみようと思う。

No comments: