2008-02-02

マーケットインという用語

昨日読んだある本に「マーケットインで開発せずプロダクトアウトの視点で...云云」と、マーケットイン優位が前提となってある会社の問題点が書かれていた。というわけで言葉の定義といまホットな開発手法について簡単にまとめてみる。

・定義

  1. マーケットイン@atmarkit
    企業が商品開発・生産・販売活動を行う上で、商品・サービスの購買者のニーズ優先し、ユーザー視点で商品開発を行い、ユーザーが求めているものを求めている数量だけ提供していこうという経営姿勢。“売れるものだけを作り提供する方法”といえる。
    要はニーズからの開発
  2. プロダクトアウト(@atmakit)
    企業が商品開発・生産・販売活動を行う上で、企業側の都合(論理や思想、感性・思い入れ、技術など)を優先するやり方。“作ってから売り方を考える方法”といえる
    要はシーズからの開発
・例
  1. マーケットイン
    トヨタ生産システムの多品種少量生産、セブン-イレブン・ジャパンのPOSシステムによる販売動向把握、デル・モデルで有名になったBTO
  2. プロダクトアウト
    大量生産、ファッション業界「「今年は○○。△△な××」というキャッチをつくり,それに合わせてファッション・ショーが行われる。」
・開発プロセス
  1. マーケットイン
    (1)市場調査
    (2)製品開発
    (3)販売
  2. プロダクトアウト
    (1)研究開発
    (2)製品開発
    (3)販売
・利点/欠点
  1. マーケットイン
    利点:ユーザの需要を満たせる。欠点:イノベーションの創造は難しい
  2. プロダクトアウト
    利点:開発者のアイデアを生かせるかせる。欠点:売れる製品にするのは難しい
・新しい開発手法
  1. イノベーションの民主化”Eric von Hippel”
    ユーザニーズはユーザ自身がわかっていない暗黙知の部分が大きくイノベーションの鍵はそこにある、これが前提。
    ユーザに商品コンセプトを提示し、コンセプトを具体化するプラットフォーム(開発ツールなど)を提供することで、イノベーションを起こす主体をユーザにシフトする開発モデル。要は商品開発の一部をユーザに肩代わりしてもらうということ。
    ①ユーザがプラットフォームを利用し何ができるかを探求し、やりたいことをメーカに提示。②要求を基に製品開発を行う。

どの開発手法を適用するのか商品の特性によって大きく変わってくると思う。枯れたジャンルの製品にイノベーションを求めるの難しいし、新しいコンセプトも示しずらい。

・リンク
ITPRO 第1回 イノベーションはマーケット・インでは生まれない

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